vol.16

タウシュベツ橋梁上部とその先の線路跡。現役時は森林の中だったので、運転士の皆さんはタウシュベツ橋梁を渡ったという認識はなく、列車が橋梁を渡っている写真もないそうです

鉄旅通信

vol.16

こんにちわ! 編集部のSです。今年の札幌の冬は67年ぶりという積雪量の多さに加えて、最低気温を毎日のように更新する寒い、寒い毎日でした。北海道の夏は涼しいという印象が一般的でしょうが、ここ数年は夏も気温が高く当たり前のように30度を超えます。夏は暑くて、冬は寒い上に積雪も多いのですから、北海道の良いところは一体どこなんだろうと思ってしまいます…。しかも3月に入ってからの暴風雪で、道東では9人の貴重な命が失われ、自然の怖さをまざまざと見せつけられました。自然の美しさばかりを強調せず、危険と隣り合わせだと思われることはきちんと伝える誌面構成にしなければいけないと改めて思いました。

次号2013.春号は北海道の廃線跡特集です。いつもとはちょっと違う特集で、道内各地にある廃線跡の魅力をお伝えします。かつて北海道には国鉄・私鉄・森林鉄道・殖民(簡易)鉄道が100路線以上あり、それぞれがその地域の発展には欠かせない存在でした。そのなかでも親しみのある国鉄末期からJR化後の廃線を中心に取り上げ、士幌線と深名線の2路線を代替バスで旅をします。

十勝の帯広から北に延びていた士幌線は、十勝バスと拓殖バスが代替バスとして周辺住民の生活を支えています。駅や線路などの遺構は少ないのですが、上士幌以北のコンクリートアーチ橋は見逃せません。景観に合わせてつくられたアーチ橋は、現在もその姿をとどめています。なかでも多くの人が目にしたことのある「タウシュベツ橋梁」は11連からなるアーチ橋で、ダム建設により生まれた糠平湖の水位によって見え隠れする“幻の橋”です。冬は凍結した湖上を歩いて、橋のすぐ下まで行く雪上ハイキングのツアーをひがし大雪自然ガイドセンターが行っています。今回はそのツアーの体験レポートも掲載しています。

旭川の隣町、深川から道北名寄までを結んでいた深名線。豪雪地帯を走っていた北海道最後の大ローカル線をレポートするならやはり冬だろうと、代替バスの乗車を決めました。乗車したのは土曜日ということもあり、学生の利用もなし。暖房の効いた車内から見る光景は札幌とは比べ物にならないほどの雪の量。深川も豪雪地帯といわれていますが、幌加内はその上をいくものでした。しかし、昔から住む人にとってはいつものことのようで、話を聞いているとたくましさを感じます。取材時には偶然すれ違った中学生たちが見ず知らずの私たちに「こんにちは!」と元気に挨拶してくれました。寒さと雪に負けない子どもたちから元気をもらった取材となりました。

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    バスの窓の曇りには苦労しました。何度も拭きながら撮影しましたが、放っておくと写真右側のように、窓が凍ってしまいます

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    帯広駅バスターミナルの発売所にあったもの

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    幌加内市街の除雪風景。雪国では個人で小さな除雪車を所有します